誰が喋っているのかわかりづらいと思ったので、
セリフの前に名前を置くようにしました。
〔 〕・・・この中に入ってるセリフは日本語訳だと思ってください。
文字の上に全角カタカナで、振り仮名を振ってるところがあります。
それでは、ご覧下さい。
『新しい風 ACT ?』
Written & Produced by G―X
いつも通りの、朝。
いつも通りの、登校時間。
いつも通りの、都立東雲高校。
???:「トリツシノノメ… コウトウガッコウ… ここに間違いなさそうですね。
ここが今日から私が通う高校ですか…」
生徒達が続々と入ってくる校門の前で、ある少年が立っていた。
東雲高校の制服を着てはいるが…
その姿を見ると、どうやらこの少年には“いつも通り”はあてはまらないようだ。
恐らく、周囲の生徒達もそう思ってるのだろう。
ザワザワと騒ぎ始めている。
生徒A:「ねぇ、誰あの人?」
生徒B:「見たことないよね」
が、当の本人は全く気づいてない模様……
それどころか、わくわくと何やら嬉しそうに学校を見上げている。
ハオ
???:「好!〔よし!〕
行きましょう!!」
* * *
――東雲高校・3年E組――
影虎:「……というワケで、朝から九条の相手をしてたので
ドッと疲れたでござるよ」
桐谷:「ふーん。
あのヤンキーもよくやるな」
由姫:「(くすくす)
最後には学校にまで着いていくって言い出したんだよ?
でも、それはさすがに無理だって…」
教室ではお馴染のメンバーの影虎・由姫・桐谷が他愛無い話をしている。
ガラッ
先生:「はーい、席に着いた席に着いた〜」
クラスの担任が入ってきたので、皆一斉に席に着く。
先生:「はーい、静かにしなさい、静かに」
担任が手をパンパンと叩くと、クラスが静かになった。
なかなかまとめる力のある先生のようだ。
先生:「えー、今日はね、皆さんに凄いお知らせがあるんだ。
実はね、転入生を1人手に入れましたー!」
ザワァッ!!
途端に教室が騒がしくなる。
小野:「転入生か…
影虎に続いて2人目だな」
上条:「どんなヤツだろ?
また、とんでもないのじゃないだろうな…」
生駒:「男かな、女かな?」
小野・上条・生駒のトリオがヒソヒソと語っている。
先生:「はーい、皆さん静かにー。
それでね、その転入生だけど、男の子です!」
『えぇえ〜〜〜〜〜〜〜!?』
女の子を期待してた男子がガッカリしている。
桐谷:「バカ…」
先生:「それでは、入って来てもらいましょう!
どうぞ!」
ガラッ
『オォオ―――ッ!?』
入って来たのは、先刻 校門の前に立っていたあの少年だった。
しかし、その容姿を見ればクラスの生徒達が驚くのも まぁ当然と言える。
その少年は、身長はやや高く、恐らく影虎よりも少し大きいぐらいだった。
体は細身に見えるが、ガリガリなどではなく、スッキリしていて、
しっかりと引き締まっているようだ。
それよりも、何よりも目立つのが、その髪だった。
色は普通の黒だが男の髪としては異様に長かった。
桐谷の髪には及ばずとも、由姫の髪より遥かに長い。
横の髪は胸にかかるくらいの長さで前に下ろしている。
そして、もう1つ目立たせているのは左肩に掛けている物だ。
それは、本人の身長と同じぐらいの長さで、
細長い棒のようなのが入っているらしき袋のような物で、
ヒモで肩に巻き付けてかついでいる。
影虎がいつも肩に掛けてる物と似ているが、少し異なっているようだ。
一方、姿は少し風変わりだが、顔付きはかなり整った、
穏やかで人のよさそうな顔をしている。
現に今も、騒いでる生徒達を気にもせずに、
ニコニコと柔らかな笑みで微笑んでいた。
先生:「はい、それじゃあね、自己紹介してもらえるかな?」
???:「はい!」
先生と一緒に教壇に立った少年はニコニコしたまま、
右手を平手にし、5本の指を密着させ、
左手を握り拳にして、
両手を合わせると、一礼した。
ぺこ
???:「皆さん、初めまして。
私は、中国の安徽(アンヒュイ)高校から来ました…
ウォン・スンシン
王 舜臣
と、申します!」
ドワァッ!!
途端に教室が騒がしくなる。
顔付きが日本人とあまり変わらないため、誰も外国人とは気付かなかったのだ。
影虎:「あの者、異人だったのでござるか?」
由姫:「全然わからなかったねー」
影虎:「油断ならぬな…」
先生:「はーい、皆さん静かに。
はい、その通り。
王 舜臣くんはね、中国人なんです!」
『おぉお〜〜〜〜〜〜〜〜』
王 :「ずっと中国に暮らしてたので、東京のことはほとんど知らないのですが、
日本語はある程度話せますので、気軽に話しかけてください。
よろしくお願いします!」
ぺこ
パチパチパチパチ…
クラスから拍手が起こる。
先生:「はい、皆さんも仲良くするようにね。
転入生だからってイジメたり、仲間外れにしたり、
果たし状を叩きつけたりしないように!
いいですね?」
『は――――――い!!』
影虎:「果たし状って…誰が叩きつけるのでござるか、そんなモン」
桐谷:「お前ならやりかねないんじゃねーか、影虎?」
影虎:「失敬でござるぞ、桐谷」
由姫:「ケンカしちゃダメだよ、影虎」
影虎:「姫まで…。
だからしないでござるって…」
先生:「はい、それじゃあ席はどこにしましょうか…
お、風間の隣の席空いてるな!
じゃ、王 舜臣くん、あそこの席へ」
影虎:「(えっ!?)」
影虎の席は、右隣が由姫の席。
真後ろが桐谷の席。
そして、左隣は空いているのだ。
どうやら、ウォンの席はそこに決まったらしい。
王 :「わかりました」
そう言うと、影虎の隣の席に向かう。
当然 隣になった者は、1番最初に話す者と決まっている。
王 :「ここですか…。
王 舜臣です、よろしくお願いします」
ぺこっ
ウォンは席に来ると、隣の影虎に一礼して挨拶した。
影虎:「!?」
ピ シ ィ ッ !!
眼が合った瞬間、影虎の背筋にぞくっと“何か”が走った。
が… それは一瞬だけで、すぐに消えた。
影虎:「(気のせいか…?
何やらただならぬ気配を感じたような…)」
気になるが、影虎は深追いはしないことにした。
影虎:「あ、ああ…。
こちらこそ、よろしくでござるよ。
拙者は風間影虎と申す」
王 :「…? セッシャ?」
影虎:「ああ、『自分』という意味でござるよ」
王 :「…?? ゴザル??」
影虎:「あー、ダメだな。
いや、実はコイツ忍者でさ、いっつもこういうしゃべり方すんだよ」
王 :「ニンジャ?
ニンジャなのですか、あなたは?」
影虎:「如何にも」
王 :「へぇ〜〜〜……」
ウォンは興味津々といった様子。
由姫:「でも、そのうち慣れると思いますよ。
えっと… ウォ… えっと…?」
王 :「ウォン・スンシンですよ」
由姫:「あ、はい。
私 藤堂由姫です」
桐谷:「アタシは桐谷秋乃だ。
剣道部副部長やってる」
王 :「風間影虎さん、藤堂由姫さん、桐谷秋乃さん、ですね!
はい、これからよろしくお願いいたします!!
皆さんいい人達で本当によかったです!(^^)」
と、本当に嬉しそうな笑顔でストレートにそう言う。
くすっ・・・
自然と、3人の顔にも笑みがこぼれる。
満面の笑みとストレートさに心がゆるんだようだ。
影虎:「(また、変わったヤツが出てきたが・・・
悪いヤツではなさそうでござるな)」
王 :「・・・?
皆さん、どうかしましたか??」
桐谷:「いやぁ、ね。
面白いヤツだな、ってさ。 なァ?」
由姫:「うん。 ふふっ・・・」
こうして、KAGETORAの世界に新たなメンバーが1人加わったのであった。
TO BE CONTINUED……
―――あとがき―――
G―X:「Hello, Everybody!! G―Xです!!
今回のゲストは……
新キャラの彼といきたかったのですが、
先が続くので最後にとっておくことにしました!」
桐谷:「つーワケで、今回のゲストはアタシ、桐谷秋乃だ!!」
G―X:「はい、ありがとうございます 桐谷さん!」
桐谷:「なんか、アタシだけ代わりのゲストみたいでなんかヤだな」
G―X:「まぁ、言わずに。
いつもメインキャストで出してるでしょ?」
桐谷:「別にいいけど・・・
さてと、いよいよ始まったな、長編!
“ACT ?”って、『第一幕』って意味だろ?
しかも新キャラまで登場させて」
G―X:「いやー、自分で言うのもなんですが、彼を考えるのは苦労したんですヨ!
そして、今回はなんと!
このG―X直筆のイラストの画像も一緒に投稿させていただきました!
イメージしやすくするため、是非ご覧下さい!!
でもこれ以上は、まだコメントできませんッ!」
桐谷:「アタシの見せ場もあるんだろうな、この話?」
G―X:「心配せずともちゃんとありますよ! (・・・多分)」
桐谷:「今 最後に何か言わなかったか?」
G―X:「気のせいです」
桐谷:「ところで、他にも幾つか設定変わったな。
セリフの前に名前つけたり、カタカナで振り仮名振ったりさ。
9巻の設定になったりもしたし」
G―X:「せっかくですから、九条さんも出したいと思ったんですよ。
それに、やっぱりセリフだけじゃ区別できないし・・・
特に、あのトリオは」
桐谷:「あー、小野・上条・生駒か・・・」
G―X:「前の2作を読み返しての反省でした」
桐谷:「んじゃあさ、今回苦労したことは?」
G―X:「え〜っと、ウォンと3人のやりとりですね。
簡単なようだと思ったら、コレが意外とキツい・・・。
コミュニケーションとは難しいものだと感じました」
桐谷:「ふーん。
にしても、毎回毎回よくコメントできるぐらい困難があるよな、アンタも」
G―X:「アマチュアですから、大目に見てくださいよ♪
さて、タイトル通り、新しい風が舞い込んで来ましたが……
この先は一体どうなるのか?
この少年は何者なのか?
先を読んでわかっていただければと思います!
これからも、頑張って書きますので!!」
桐谷:「ちょっと、いい加減な終わりだけど、つーワケだ!」
G―X:「『新しい風 ACT ?』読者の皆さんに、感謝です!!
感想・リクエストは掲示板の方へお願いします!
今回のゲストは桐谷秋乃さんでした〜!!」
桐谷:「読んでくれてサンキュー!
さてと、由姫ンチに行って稽古だ!!」
G―X:「これからも『新しい風』を!」
桐谷:「夜露死苦!!」
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